2000年3月21日

日本鋼管株式会社
代表取締役社長 下垣内洋一様

日暮里富士見坂を守る会     代表 小川幸男

拝啓 お忙しいところ、何度もお願い申し上げ恐縮しております。

  現在、御社(NKK様)の子会社である日本鋼管不動産(株)様が本駒込3丁目1-1に建設中の建物が、日暮里富士見坂(荒川区西日暮里3丁目7〜8の境)からの富士山の眺望を阻害する事態になっております。
 すでにご高承いただいておりますが、日暮里富士見坂は都心の中で唯一、地上から富士山を望むことができる場所です。この景観を風景遺産として残すことは、開発から環境保全へ転換する21世紀の象徴的な出来事となります。
 先日御社に伺い、詳しい資料をお渡しし、説明させていただきました折りに、担当者の方々より、富士山の眺望を保全する活動へのご理解をいただきました。そして、日本鋼管不動産(株)の社長様、および御社の社長様にお話してくださるというお返事を頂き、大変喜んでおります
 しかし、いまだに社長様とのご面会が適わないでおります。また、刻々と時間のなくなる中で、ご英断を下して頂けるのは御社の社長様だけではないのか、という思いを強くしております。

どうか、本郷通りに建つマンションの事業を日本鋼管様で引き継ぎ、9階建てにしてください。環境保全を企業の柱に掲げられる御社に、富士見坂の眺望を保全して頂きたいのです。
 日暮里富士見坂の眺望は、研究者によって詳しく調査報告書がまとめられており、本郷通り沿いでは9階までの建物ならば富士山の眺望の保全が可能です。また周辺の状況も詳しく調査されており、具体的な保全活動への準備もなされています。今回の建物が眺望を保全する形になれば、今後の行政の景観条例の整備充実に拍車がかかり、社会的影響ははかり知れません。私ども市民も、御社の保全事業への協力に万全を尽くす所存です。

 この貴重な都市景観を次代に伝える御英断をしてください。
 日本鋼管不動産(株)様のお話では、4月2日に鉄骨を一気に13階まで立ち上げるそうです。もはや一刻の猶予もありません。とりあえず、9階で工事を中断し、ともに解決策を見いだすための時間を与えてくださいますようにお願い申し上げます。

 以上のような事情をご理解いただき、社長様と直接お話できる機会を設けてくださるよう、切にお願い申し上げます。その折りには荒川区長、助役も同席を希望しております。どうかこの問題を先送りされることがありませんよう、重ねてお願い申し上げます。
 ご多忙のこととは存じますが、至急ご返事を賜りますよう、お願いいたします。

 なお、3月22日の朝に、いま一度御社の前にて要請行動を計画しております。その折りに面会の日時を指定していただければ幸いです。


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