2000年3月24日
日本鋼管不動産株式会社
代表取締役社長 池田雄一様
日暮里富士見坂を守る会 代表 小川幸男
本日はご多忙のところ、池田雄一様はじめ、池本様、真田様に足を運んでいただき、本当にありがとうございます。
この間、三回の話し合いの中で、私どもの「唯一となった日暮里富士見坂の眺望を保全したい」という活動について、ご理解くださっていることを知り、とてもうれしく思っております。しかし、最終的には、「これは一企業で負う話ではない」、「工事前であれば変更は可能であったが、今となっては無理」というお返事で、文化遺産を継承することの難しさを改めてかみしめています。
本日、池田社長様から「建物の高さを九階にし、富士山の眺望を保全しよう」というご英断が、もし、伺えない場合、時間をとっていただいた今日の話し合いが無駄にならないためにも、以下の提案についてご検討頂けますようお願いいたします。
1. 日本鋼管不動産(株)様でもすでにご確認のことと思われますが、今回の問題については行政、議員、企業、市民のすべてが「できることなら富士山の眺望を保全したい」という共通認識をもっていることが明らかになりました。
そこで、日本鋼管不動産(株)様と私ども日暮里富士見坂を守る会の両者で、荒川区、文京区、東京都に「眺望保全」の要望書(あるいは陳情、請願)を提出してください。
2. 1.を行う上で、日本鋼管不動産(株)様を含むNKKグループの企業イメージがアップする、という事実を利益として考慮した場合、改めてどのような条件ならば変更可能なのか、もう一度提示してください。
以上のことについて、私どもは努力を惜しまないつもりでおります。どうかこうした活動もないまま、同じ認識にたったものが物別れに終わるというような事態にならないようにお願いいたします。
また、こうした活動のうえでもまだ、解決が困難な場合、私どもも納得して、今後の保全活動を考えていきたいと思っております。