2000年4月12日

日本鋼管不動産(株)
代表取締役社長 池田雄一 様

日暮里富士見坂を守る会
 会長 小川幸男




 去る4月10日(月)は、長時間に渡り、私共との話し合いに応じていただきまして、誠にありがとうございました。
 ただ、私共の代表4名が貴社に伺った際、事前に池本本部長様とお会いする約束をしていたにもかかわらず、門前払いとも言える応対をされたこと、また話し合いの内容については、失望の念を禁じ得ません。

 そもそも企業には、景観を含め地域の環境・社会と折り合いをつけ、寄与していく社会的責任があります。そして、自らの事業が、これに悪影響を及ぼす可能性がある場合は、これを避ける最大限の努力をする義務があります。
 日暮里富士見坂からの富士山眺望は、かけがえのない歴史的風景遺産です。
 私共は、その眺望の価値と大切さを知り、これを守るものの代表として、貴社が文京区本駒込で建設中のマンションが、唯一残った富士見坂の眺望を損なうことを指摘し、貴社の社会的責任を問うて参りました。
 とはいえ、貴社にこのことを伝えるのが工事着工後になってしまったこと、貴社にとってまさに「晴天の霹靂」とも言える事態であったことなどから、貴社のお立場に配慮し、貴社と共に事態を打開する最善の道を見出したいとの姿勢を貫いてきたつもりです。
 しかしながら、4月10日の話し合いで、貴社が私共との約束を反故にし、私共の誠意と信頼を踏みにじられた、と認識いたしました。

 したがって、私共としては、これ以上、貴社とは話し合いを続けられないと考えています。今後は、NKKに、NKKグループ総体の社会的責任を問うて参りたいと存じます。
 よって、4月13日(木)のお話合いは辞退させていただきます。外壁タイルのことについても、私共からはあえて要請しないことにいたしました。
 ただ、私共は以下のことを貴社に求めたいと存じます。

◎貴重な歴史的風景遺産「日暮里富士見坂からの富士山眺望」を保全する意志と努力を形に表してください。
※私共への配慮でなく、「富士見坂の眺望」に対する社会的責任を果たして下さい。


「要望書など」のページに戻る。

トップページに戻る。