2000年6月16日
東京都知事
石原慎太郎 様
日暮里富士見坂を守る会 |
荒川区西日暮里の富士見坂は、都心で唯一富士山の全貌が足元から眺めることのできる坂道でしたが、5月14日、本郷通りに建設中のマンションにより、富士山の左側稜線の眺望が遮られました。
私たちはマンションの建設を知った昨年11月末より、建設主である日本鋼管不動産(株)および親会社の日本鋼管(株)との話し合い、荒川・文京・台東各区と東京都に働き掛けを行ない、この貴重な風景遺産を次代に伝えたいと努力してまいりましたが、今回の緊急事態を避けることはできませんでした。
今年3月に出された「東京都環境白書2000」のなかに「必要に迫られて都心部を貫く高速道路を建設してきたが、結果としてコンクリートの大きな塊が川をふさぎ、江戸の歴史的遺産である日本橋の景観を損なうことにもなってしまった。富士見坂の多くが、今ではその名の由来である富士山の眺望を失っている。」
とあるのを読み、その現実に立会いながら、守れなかったことが残念でなりません。
今後、こうした歴史的風景遺産を保存するために、以下の件について東京都に要望いたします。
1. 日暮里富士見坂からの眺望を阻害する建築計画に際し、早期の話し合いを可能とする事前協議制度を整備してください。
2. 東京都景観条例において、歴史的景観である富士見坂からの富士山への眺望を、景観軸として指定してください。
日暮里富士見坂を守る会 ( 代表 小川幸男 ) |
〒116-0013 荒川区西日暮里3-7-6-304 |
連絡先 TEL/FAX 03-5814−1916 |