2000年6月23日
東京都景観審議会委員殿
日暮里富士見坂を守る会 |
会長/小川幸男 |
拝啓 この度は突然お便りいたします失礼をお許しください。
私どもは、日暮里富士見坂(荒川区西日暮里3-7-8)の眺望を次代に伝えるために活動している、「日暮里富士見坂を守る会」と申します。
都心にある16の富士見坂のうち、その名の通り富士山の全景が地上から望めた日暮里富士見坂の眺望が、この4月、本駒込に建設中のワンルームマンションの鉄骨により富士山の左側稜線が遮られました。私どもはマンションの建設を知った昨年11月末より、建築事業者との話し合いや行政への要請を行なってまいりましたが、今回の緊急事態を避けることはできませんでした。
日暮里富士見坂からの眺望は、荒川区の「都市景観基本方針」で保全が謳われ、1996年度の「東京都都市景観コンテスト」では"この景観をいつまでも賞"に選ばれています。しかし、こうした啓蒙活動も、具体的な条例等の整備がないために保全への手立てとはなりませんでした。
つきましては、東京都景観審議会委員の方々に今回の問題をお知らせし、日暮里富士見坂のような歴史的で開かれた景観拠点からの、富士山の眺望を保全して頂きたいと資料をお送りいたしました。
「東京都景観条例」において、歴史的景観である富士見坂からの富士山への眺望を、景観軸としてとらえられるような議論を、是非してくださいますようお願いいたします。また、こうした風景遺産が保全できるような、長期的展望と対策を検討して頂きたいと願っております。
送付資料
(1) 日暮里富士見坂からの眺望写真2枚(昨年11月、及び本年6月4日撮影のもの。)
(2) 守る会からマンション建設事業者グループであるNKKに宛てた質問状と回答。
(3) 守る会から東京都知事、荒川区長、文京区長に宛てた質問状と回答。
(4) 荒川区議会から東京都などに提出された要望書
(5) 5818名の署名簿を提出した際に、改めて提出した東京都知事宛「日暮里富士見坂からの富士山眺望の保全」要望書
(6) 日暮里富士見坂を守る会の活動経過
以上です。
*日暮里富士見坂を守る会では今回の問題をお知らせするホームページを開設しています。ご覧頂けると幸いです。 http://www1.ttcn.ne.jp/~fujimizaka-hozen/
*「日暮里富士見坂の眺望保全に関する調査研究」という調査報告書が、研究者・行政担当者等でつくる「富士見坂眺望研究会」によりまとめられています。お読みくださる方にはお送りいたしますのでご一報ください。